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ブリャンスク ―スラヴ文化の交わる古都を訪ねて-

日本では梅雨入りし、じめじめとした日が続く中、気持ちのいい初夏の陽気に恵まれた、
ロシア南西の都市ブリャンスクを初めて訪れたのは、今から10年近く前の6月の事です。
当時、モスクワなどの主要観光都市を見てまわった私は、ガイドブックに掲載されていない様な、日本人には、あまり馴染みのない地方都市を見てみたいと思っていた所、
モスクワの街を以前に案内して頂いたロシアの友人がブリャンスク在住の為、この地を訪れる事を決めた次第です。
今回は、この街の名所をいくつかご紹介したいと思います。

モスクワから約380km南西に離れたこのブリャンスクという都市は、伝承によると創建985年と言われるロシアでも有数の要塞が築かれていた古都であり、
かつてはモンゴル人による襲来や中世はヨーロッパ諸国の支配を受け、現在のロシアの前身であるモスクワ公国に編入されたのは、16世紀になってからと言われております。
近い所では、第2次世界大戦時にナチスドイツの侵略も受けた為、パルチザンでも有名であり市内や郊外のあちらこちらに、当時の抵抗活動を称える記念碑があります。
上記の様な歴史的な経緯から様々な文化が交わり、現在も東ヨーロッパにおける交通の要衝となっております。

さて、モスクワのキエフ駅から寝台列車に一晩揺られ、翌朝に到着しますと、目の前にプラットフォームが、何列も連なり、モスクワのターミナル駅に匹敵する規模に驚かされます。
この駅は、西はベラルーシのホメリ(ロシア語読みでゴメリ)、南はウクライナの首都キエフへと結ばれており、ベラルーシ人やウクライナ人も利用する地域の交通の要衝の役割を果たしています。

駅舎を出て、ブリャンスク市内の中心であるソビエト地区へ向かう為、公共バスに乗ると
地元の人々の会話が耳に飛び込んできますが、どことなくのんびりした話し方と、時折使われるモスクワでは耳にしないウクライナ訛りに、なんとも言えない牧歌的な雰囲気を感じる事が出来ます。

市内に入り最初に訪れる場所が、この街の目抜き通りにあたるレーニン大通りです。
小高い丘陵地にあたるこの場所には、ソ連時代の伝統的なグムデパートや劇場、サーカスなどの娯楽施設の他、ロシア正教のシンボル的なクーポル(玉ねぎ型ドーム)の教会が軒を連ねます。
またグムデパートの近くの渓谷にかかる橋からは、眼下に一面に広がる森に覆われたヨーロッパの大地を地平線まで見渡す事が可能であり、ブリャンスクがかつて原初年代記の時代に低ブリャンスクと呼ばれた理由に想いを至らせることができます。
通りに沿う様に流れる大きな川は、デスナ川と呼ばれ、巨大なドニエプル川の支流として北はスモレンスクからキエフへ向けて流れ込んでおり、以前は遊覧船も運航していました。

レーニン大通りから、車を走らせること約20分。
同地区のメモリアルパークに市内の象徴的存在であるクルガン(KURGAN BESSMERTI:不死のクルガン)を訪れます。
クルガンとは、ロシアのおいては本来、石器時代の身分の高い人々の古墳を指す言葉ですが、
この場合は、第2次世界大戦においてドイツ軍との戦いに参加したソ連兵やパルチザン達を称える為の記念碑となっています。
土台部分と本体を合わせて都合30mの巨大な星型のモニュメントは、市内の遠くからでも確認する事が出来る市内の象徴的な存在として、地元の人々の間でも親しまれており、
年末年始や戦勝記念日などの際は、ここで催しものが行われています。


写真)クルガン(メモリアルパークにて)

クルガンを離れ、市内ソビエト地区から車で20~30分ほど走らせ、スポネヴォ村に向かうと広大な敷地を持つブリャンスク最大の修道院が見えてきます。
スヴェンスキー修道院は、1288年の創建と言われており、伝承ではブリャンスク公のロマン・ミハイロヴィチが当地を訪れた際に原因不明の失明に見舞われたところ、偶然見つけたイコンの奇跡的な力により目が見える様になり、ここに修道院を建てたと言われています。
このイコンは現在、モスクワのトレチャコフ美術館に寄贈されています。

修道院の建物は、時代により何度も手が加えられ現在の外観は、
18世紀のウクライナ・バロック式の影響を強く受けています。
修道院の辺りからは低地を流れる、デスナ川と名前の由来にもなったスヴェン川を眺める事が出来ます。


写真)スヴェンスキー修道院

今回、ご紹介した観光地は、代表的な施設の一部となりますが、
先史時代から人が住んでいたこの地域では、史跡はもちろんの事、豊かな東ヨーロッパの自然を感じる事が出来るなど、様々な側面を持ち合わせた街です。
モスクワやペテルブルグなどの大都市では、なかなか感じられない牧歌的なロシアの空気に触れてみたい方は、一度訪れて見る事をお勧めします。

<アクセス>

モスクワ→ブリャンスクまで:
モスクワ・キエフ駅(Kievsky Vokzal)より特急738A、740A、742B等にて約6時間。
ブリャンスク・オルロフスキー駅(Bryansk Orlovsky Vokzal)にて下車

クルガン:
ブリャンスク・オルロフスキー駅より1番トロリーバスにてTele centerまで乗車後、
25番バスに乗り換え、Kurgan Bessmertiにて下車。

スヴェンスキー修道院:
ブリャンスク・オルロフスキー駅より1番トロリーバスにてTele centerまで乗車後、
7番バスに乗り換え、Svensky Monasteryにて下車。

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